議会質問
母子家庭の母に対する在宅就労支援について 【平成20年2月定例会】

母子家庭の母に対する就業支援については、名古屋市では、平成16年度に母子家庭等就業支援センターを愛知県、豊橋市、岡崎市及び豊田市の中核市3市と合同設置するなどの就業支援事業に取り組んできました。

また、平成18年6月には、栄の中日ビル内に母子家庭等就業支援センター名古屋市相談室(通称ジョイナス.しかし、頼れる親族等が近隣にいない場合などは、母子家庭の母親は、子どもの学校行事や急な病気などにより、必ず休暇をとらなければならない状況にあります。

これは、ひとえに働きたくても子どものためにフルタイムでは働けないという現実があるからなのではないでしょうか。

平成18年4月から平成20年1月までの間にこの就業支援センターを通じて就業できたのは、160人ほどと聞きました。ジョイナス.ナゴヤを通じずご自分で就職活動をして、就職できた人はこの他にも大勢いるでしょう。 また、就職できた人の内訳については、パートなどの非常勤が約9割を占めるという状況だということです。

子育て中の親にとっては、在宅で収入を得ることが出来る仕組みがあれば、収入の確保と子育てとの両立が可能となるのではないでしょうか。

 本市においても、母子家庭の母親向けに是非、在宅就労を支援する取り組みを実施すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

 《市の回答》

子どもと一緒にいる時間を大切にしたいと思っている子育て中の親、特に母子家庭の母にとってみれば、就業による収入確保と子育てとの両立に苦慮しているという現状があることから、在宅での就労を含めた多様な働き方を実現するための支援は必要であると認識しています。母子家庭の母親には、現在ジョイナス.ナゴヤにおいて就業相談から職業紹介に至るまでを支援しているところですが、議員ご指摘のとおり、結果としてパート雇用が多く、生活実態は厳しいものがあります。

 一方、子育てと仕事の両立支援については、社会全体でワークライフバランスを推進していくということが大きな流れとなっていますが、成果が出るには、まだ少し時間がかかると思われます。このような状況の中、国は、新たに、平成20年度予算案の中で、母子家庭等就業支援センター事業の補助メニューの一つに在宅就業推進事業を設けているところでございます。本市といたしましては、今後、国の在宅就業推進事業の内容を踏まえながら、ITの活用も含めた在宅就業支援について、検討してまいりたいと考えております。

 再質問

国におきましては、母子家庭に支給されている児童扶養手当が、平成20年4月から一部減額される予定でしたが、実質凍結となりました。それだけ母子家庭の生活の実態が改善されていないということではないでしょうか。    本市における平成19年3月中の生活保護受給世帯数は、総数で約2万1千世帯であり、前年から約2.8%減少している中、母子世帯に限ってみれば、逆に5.0%増加し、約1千5百世帯となっている状況にも現れています。

平成15年8月に時限立法された、「母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法」は平成20年3月に失効することになっています。

全国調査によれば、就労収入は、平均171万円と平成15年調査時から約9万円増加しているのみです。相変わらず、厳しい就労実態があることから、さらなる就労支援に努める必要があると考えます。

例えば、インターネットの利用などにより、データ入力などいわゆる内職をパソコンで行い、技能レベルに応じて専門的な仕事も在宅でできるという在宅就労は、子育てと仕事の両立という点では、母子家庭の母には有効な方策ではないのでしょうか。

市民の最も身近な行政機関である名古屋市において、在宅就労を含めた母子家庭の母に対する就労支援に関して、今後どのように進めるお考えなのか、塚本副市長にお伺いいたします。

 《回答》

母子家庭の母の就労による自立は、生活保護から脱却できるのみではなく、安心して子育てしながら、いきいきとした生活を営み、子どもたちがすくすくと成長するために大変重要なことであり、さらなる就労支援に努める必要があると認識しております。

議員ご指摘のように、母子家庭の母の中には、就労経験が乏しい上に専門的な知識がなく、加えて、子育てをしながら生計を担っていかなければならないという二重の負担を背負っている方も多くおみえになります。

このような方にとっては、就労できる仕事が限られるなど特有の事情があり、ITを活用した在宅就労などのシステムを構築し、新たな就業の機会を創出することは、自立を促進するうえで、大変、有効な手段であると考えております。

本市におきましては、平成17年に策定しました「ひとり親家庭等自立支援計画」に基づいて自立支援事業をすすめており、平成20年度には母子世帯等実態調査を実施して、就労の実態や事業の効果を検証してまいることとしております。

その結果に基づきまして、在宅就労も含めた多様な働き方を実現するための方策を検討するなど、就業支援について積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りたいと存じます。


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