議会質問
AED(自動対外式除細動器)の設置について 【平成19年11月定例会】

安全基準や設置、メンテナンスの助成について質問したいと思います。

ことし2月、栄の地下街を孫と歩いていた男性が意識を失い転倒し、地下鉄職員が改札付近に設置がされておりますAEDをとりに走り、電気ショックを与えて呼吸や脈を回復させ一命を取りとめたことがありました。

この市営地下鉄の駅に設置してあるAEDが救命につながったことは初めてであります。

また、昨年10月には豊田市のお祭りで、山車の腕木を持っていた男性が突然倒れ、AEDを使って男性が意識を取り戻して、その後、順調に回復したと、そんな報道もありました。

日本における病院外での心停止の発生件数は年間2万から3万件と推測されております。この数字は、交通事故による死者数の3倍から4倍になると言われております。しかし、このすぐれものも永久的に使用できるものではありません。電極パッドは大体1年半、電池は1年半から3年で交換する必要があります。実際にAEDを使用した場合は、電極パッドも電池も交換をしなければなりません。

 AEDの機器の設置基準に関しては明確か?

 一般市民のAEDの使用が認められてから既に3年が経過をしております。

名古屋市の公共施設でも、平成16年度から順次AEDの設置が進められ、今年度末には485台設置されると聞いております。名古屋市の公共施設の中で早く設置されたAEDについては16年に設置がされたわけでありますから、使用していない場合は3年近くもこの動作確認がされていないことが考えられます。
 市として、どのような場所へAEDの設置を進めているのか。また、AEDの使用に関する理解を一般市民に広めるためには、多くの市民が集う場所へのAEDの設置が必要であると思います。

そのようなことから、さまざまな民間施設、事業者がAEDを設置しやすくするように、設置費用の一部を助成することなど検討する必要はないかと考えます。

設置費用やメンテナンスの費用の助成についての考え方をあわせて健康福祉局長にお伺いをしたいと思います。

 健康福祉局長より回答
AEDの使用につきましては、従来、医療従事者などだけに認められておりましたが、平成167月から一般市民にもその使用が認められたところでございます。本市では、これに伴い市立施設への設置を進めるほか、民間事業者に対しても設置の働きかけをするとともに、AEDの取扱方法を組み入れた救命講習を実施してまいりました。
お尋ねの1点目、設置基準の策定についてでございますが、本市では、平成17年度に市民に対し、どのような施設にAEDの設置を望んでいるのかなどのネットモニターアンケートを行いました。その調査をもとに、多数の市民が利用する施設にAEDの設置を推進する、そういうことといたしまして、市立施設では、市役所、区役所などの行政機関、それから地下鉄駅などの公共交通施設、総合体育館などのスポーツ施設等を設置箇所とする方針を策定いたしまして、順次整備を進めてまいりました。その結果、今年度、平成19年度末までに485台のAEDを設置することとしております。
 また、民間事業者に対しましては、鉄道、バスなどの公共交通機関、宿泊施設、興行場、百貨店、スポーツ施設などに設置するよう要請をしてまいりました。
 メンテナンスの基準の策定についてもお尋ねをいただきました。
 AEDのバッテリーなど消耗品につきましては、製造業者が機種ごとに使用期限を定めていることから、本市が一律に基準を設けることは難しいと考えております。しかしながら、いざというときの使用に支障がないよう、本市施設に設置されたAEDについては定期的に更新を行うとともに、民間事業者に対しましても、救命講習などの機会をとらえてメンテナンスの必要性について周知してまいりたいと考えております。
 お尋ねの2点目でございますが、設置及びメンテナンス費用の助成についてお尋ねをいただきました。
 民間施設等へのAEDの設置につきましては、それぞれの施設の管理責任の中で対応いただきたいと考えておりまして、経費につきましては、それぞれ負担をお願いしたいと考えております。
 本市といたしましては、AEDの必要性について広く御理解をいただくため、例えば、地域でのイベント事業へのAEDの機器の貸し付けを検討するなど、引き続き普及啓発に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。


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