議員質問
 路上禁煙対策を進めるため、3つの提案 【平成18年9月定例会】
 人込みでの歩行喫煙は危険です。路上禁煙対策は本年の7月1日から、指定地区での違反者に対する過料徴収が開始をされ、その取り組み状況などが新聞等のマスコミを通じ取り上げられております。市民も大いに注目をされており、その成果が大きく期待をされている事業の一つであると思います。
 平成16年6月の定例会の中でも、路上禁煙の取り組みについて要望させていただき、その結果として、当局の速やかな対応によってこの制度ができたと感謝を申し上げます。今後の路上禁煙対策の取り組みをさらに進める観点から、提案を含めて環境局長に3点ほど質問いたします。
 @ 駅周辺や観光地、曜日や時間帯を限定して路上禁煙地域に指定  
 1点目は、路上禁煙地区の指定の考え方についてです。
 現在の路上禁煙地区の指定の方法は、曜日、時間に関係なく人通りの多い場所が対象ということで、365日、24時間、路上での喫煙を禁止する方法で行われております。今後、路上禁煙地区の拡大を前提に考えた場合、現在では路上禁煙地区として指定されていないところでも、通勤時間など特定の時間帯によっては、人通りの多くなる地域もあります。
 例えば、地下鉄の野並駅の周辺の歩道では、早朝からバスを利用される方が地下鉄へ移動するために、多くの方が歩道を歩いているところです。その人込みの中を、自転車に乗りながら喫煙をしている方も見えます。危険きわまりない行為ではあると思いますが、禁煙地区に指定をされていない現状からすると、注意することにためらうのが現状だと思います。
 また、土曜、日曜日、祝日など、特定の曜日に多くの人が集まる緑区の有松のような都市景観重要建築物等のある観光地などもあります。
 そのような地域は、確かに現行の指定地区と比較をすると、一日じゅう人通りが多いとは言いませんが、一時的には、現在路上禁煙地区に指定をされております栄や金山と同じぐらいの、それ以上に人が多く集まることがあります。たばこの火による危険性という面からいいますと、同じような状況ではないかと思います。
 そのため、そのような地域には、一日じゅうではなくて特定の時間帯で指定する、また、毎日ではなくて曜日によって指定するというような部分的な指定を行い、弾力的なパトロールを実施することは、安心・安全で快適な環境をつくる上で必要と考えますが、いかがでしょうか。
 A 路上禁煙地区に喫煙場所を設置し、ポイ捨て防止
 2点目は、路上禁煙地区に喫煙場所を設けてはどうかという提案をしたいと思います。
 安心・安全で快適なまちづくりなごや条例は、たばこそのものを否定する条例ではありません。たばこを吸うことを規制するばかりではなく、今後はしっかりと、たばこを吸う人とたばこを吸わない人とのすみ分けができないか、そうした取り組みをしていくことも、路上禁煙を推進、定着していく上では必要ではないかと考えております。
 よくたばこを吸う人から、どこかにたばこが吸える喫煙場所があれば、そこで吸うようになるので、路上でのポイ捨ては減るのではないかという声も聞いております。私自身はたばこを吸いませんが、たばこを吸う方の気持ちはわかるつもりです。
 市みずから喫煙所を設置するということは、設置費用の負担、清掃等の維持管理コストなどの問題もあり、難しい面もあると思います。しかし、商業目的、事業目的のために設置を希望する事業者は幾つかあると思います。そこで、民間の方がみずからの敷地内に喫煙所を設置するような働きかけをしてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
 B 自転車防犯パトロールのように、市職員が率先した監視体制必要
 3点目は、路上禁煙地区における監視体制についてです。
 最近、子供たちを犯罪から守るために、市民の方が防犯パトロールの表示をつけた自転車に乗って、パトロールする姿を町中でよく見かけるようになりました。実際には、買い物のついでに町中を走っているのかもしれませんが、パトロール中ですよという表示を自転車につけて走り回るだけでも、大きな抑止効果を発揮するのではないかと思っています。
 同じように、路上禁煙地区でも市民ボランティアが自主的にパトロールなどの活動をすることによって、高い啓発効果が期待をされると思います。しかし、そのような地域住民の機運を盛り上げるには、まず、市の職員が率先して行動することが必要だと思います。
 例えば、環境局の職員はもとよりほかの局の職員が、勤務中の合間にでも喫煙者を見かけたら声をかけるとか、路上禁煙地区のたすきや腕章をつけて町を歩きながら啓発活動などを行う、そういったアイデアがあると思います。
 特に、最近、岐阜県の裏金問題、福岡市の飲酒運転事故など公務員の不祥事が続いており、市民の目も公務員に対して厳しいものがあるのではないかと思います。町中で一生懸命頑張っている名古屋市の職員の姿を、市民の皆さんに見ていただければ、公務員に対する信頼の回復にも資するものではないかと思います。そのような意味も含めまして、お尋ねします。
 今後の取り組みとして、路上禁煙を早期に定着させるため、市の職員がボランティア精神で路上禁煙の啓発、指導に取り組むことが職員の意識向上にもつながると思いますが、環境局長の御所見をお伺いします。
 市側「現在の路上禁煙4地域で効果があがった後に、地区の拡大等を検討」
≪市の回答≫
路上禁煙地区の指定の考え方でございますが、一時的に人通りが多くなる場所として、時間や曜日での限定的な指定をしますと、ある時間の前後や曜日によって指導を受ける、受けないといったこととなり、市民にとってもわかりにくいものとなるため、時間や曜日での指定はしていないのが実情です。
 確かに地下鉄の主要駅などでは通勤ラッシュ時には人通りが多くなり、有松など都市景観重要建築物等を擁するような観光地では、土日や祝日に多くの人が集まりますので、そのような場所での喫煙行為は危険性が高いと言えます。しかし、過料徴収を開始してから期間も余りたっていないこともあり、現行の地区のみを周知することも十分でないような状況です。部分的に時間や曜日を指定することは、地区の内容のみならず、規制の時間、曜日も周知徹底することが必要となりますので、現行の地区を周知徹底する以上に困難ではないかと考えております。
 この4地区での路上禁煙の施策が十分に浸透いたしまして、改善効果が長期的な傾向にあれば、地区の拡大等の検討も必要になると考えております。

 次に、民間施設等への喫煙場所の確保ですが、安心・安全で快適なまちづくりなごや条例に基づき、路上禁煙地区として指定し、道路上での喫煙を禁止しております。このため、地区内に喫煙場所を設置することは条例の趣旨には適合しないものと考えております。
 設置者への対応につきましては、事業者が、吸い殻のポイ捨ての防止策の一つとして、地区周辺の敷地内に喫煙場所を設置しているところも見受けられます。本市といたしましては、このような場所に設置を希望する事業者につきましては、相談に応じてまいりたいと考えております。

 最後に、路上禁煙地区における監視の体制についてです。
 路上禁煙地区では、毎日専任の路上禁煙等指導員によりパトロールを実施しております。喫煙マナーの悪い特定の場所では、早朝または夕方の通勤時間帯を中心に、職員はもとより、事業者、商店街、住民の方と協働いたしまして、重点指導パトロールを行っておるところです。
 今後の取り組みとしては、路上禁煙地区では引き続き地元住民、事業者と協働でキャンペーンを実施していくこととしております。また、各区に設置しておりますまちづくり推進協議会を通じまして、安心・安全で快適なまちづくりの実現に向けた活動を推進していく中で、議員からの意見も御参考にさせていただきながら、関係局職員を挙げて取り組むとともに、地元の事業者、住民などと協働して進めさせていただきたいと考えております。
 目の前でたばこポイ捨て、「路上禁煙地域なら…」と歯噛みした経験
 路上禁煙対策について、かなり前向きに答弁をいただいたと思います。ただ、時間設定や曜日設定でやっていくということは、市民に理解してもらうためにはかなり時間はかかると思います。
 確かに言われるとおりかなとは思いますが、私も先日、野並の駅で早朝に街頭で立っておりますと、若い人がたばこを吸いながら私の近くに来て、いきなり僕の前にたばこをぱっと投げ捨てていったものですから、ついつい、「こら」と言ったんですけど、理性を忘れて。ただ、その時に、やはりきちっと禁煙地区と指定されておれば、もう少ししっかりと注意することもできたと思うんです。
 先ほどの答弁で、市全体の取り組みとしてやっていくと言われましたので、曜日指定や時間指定は、広報に時間がかかるというのは当然ですが、これからも前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 喫煙所の確保についても、「吸うな、吸うな」と言うばかりではなくて、吸える場所もきちっと対応していくというのは、行政の当然の務めだと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

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