学生ボランティア派遣事業の拡充必要 【平成18年2月定例会】
 学生ボランティア派遣事業について教育長に質問いたします。
 少子化・核家族化に伴い、子どもたちが集団遊びをする姿が地域では見られなくなってきています。しかしながら、子どもたちは、仲間と集団の中でもみ合い、もまれあいながら成長していくものです。
 「一緒に遊ぶ仲間・一緒に過ごす時間・一緒に活動する空間」を失った子ども達
 現代の子どもたちは、昔の子どもたちと比べ、3つの「間」がなくなっているといわれます。一緒に遊ぶ仲間・一緒に過ごす時間・一緒に活動する空間です。すなわち「間」訓読みで言う「あいだ」の喪失です。この3つの「間」の喪失により、子ども自身が身に付ける人間関係や、人への思いやりなどの学びが失われつつあるということは、よく言われているところであります。
 また、「キレル」若者とよく言わておりますが、それも詰まるところ、人間関係の希薄さやコミュニケーションがうまくできないところに、大きな原因があるといわれています。
 さらに、小学校においても、校庭で子どもたちが一緒に仲間と遊ぶという姿が少なくなってきています。子どもは、教室で学習するだけでは、健全な成長は望めません。子どもは、子ども同士の様々な遊びや活動の中から、教科書にはない人間関係の大切さや、人への思いやりを学んでいくものです。
 大学生のお兄さん・お姉さんと一緒に過ごし学ぶ子ども達
 現在、市教委が進めている「ふれあいフレンド」事業=写真=では、子どもが好きな若者が小学校に入って、子どもたちと一緒に様々な活動をしたり、時には子どもたちの遊びの中心となって活動したりしていると聞いております。
 放課時間など大学生の「お兄さん」「お姉さん」と一緒に遊んだり、一緒に給食を食べたり、たわいもない雑談を学生としながら生活する中で、子どもは知らず知らずのうちに、多くの事を学んでいるのではないでしょうか。
 地域の学校からも「ふれあいフレンドの学生さんが誘ってくれることで、集団で遊ぶ児童が増えた」、「遊びのルールを作って仲良く遊べるようになった」等、子どもたちが生き生きと笑顔で学校生活ができるようになったと、効果が評価されていると聞いております。
 地域・子ども達・大学生に好評の「ふれあいフレンド」事業
 一方、ボランティアの学生についていえば、将来、教員になるつもりがなかった方が生徒と接することで先生を志して、教員になった方もみえます。学生にとっても、子どもの理解や自分自身の適性を見つめ直す貴重な機会だと思われます。
 また学生の中には、専門で心理学を専攻されている方や臨床心理士を志している方もみえます。現在では、スクールカウンセラーは市内の全中学校に1〜2 名配置されておりますが、小学校には配置されていません。原則として週8時間で、生徒の絶対数からすると対応しきれないのが現状です。
 専門的な職種であり人件費も高く、市の予算的にも非常に難しい事業であると思われます。そこで、こうした「ふれあいフレンド」事業の充実を図ることにより、小学校の児童やその保護者、教師の相談にも、応じることができるものと思います。現在は、48校に派遣をしていると聞いておりますが、学校からはふれあいフレンドは希望してもなかなか派遣してもらえないと言う声も聞いております。私は是非、希望する多くの学校へ派遣を拡大すべきだと考えております。

そこで、教育長にお尋ねしますが、今後、このような効果のある学生ボランティアの派遣と活用を広げていくべきであると考えていますがいかがでしょうか。

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