議員質問
 私も子どもの頃、いじめに遭いました。
 深刻ないじめ問題、早期発見への取り組み急げ
【平成18年11月定例会】
 児童生徒のいじめによる報道は全国に広がり、連日のように生徒の自殺も報道がされております。いじめを受けて深い悩みを持っている子供たちの報道を見たり聞いたりしていますと、本当に心が痛む思いがいたします。
 いじめた子の家に行き、「いじめをやめて」と親に訴えました。
 翌日から、私へのいじめはなくなりました。
  
 実を言いますと、私も子供のころにいじめに遭ったことがあります。小学校を二つ行っておりましたし、また中学校も二つ行きました。転校生はよそ者的な感覚があるということで、いじめの対象になりやすいと思います。
 私のときは、筆箱を隠されたり、突然女の子から汚いよと言われたり、廊下を歩いていて突然殴られたりとか。やっぱり、転校すると独りになりますので、集団で文句を言われたり、本当にひどい経験をしました。
 でも、私は自殺は考えませんでした。転校する前には友達がたくさんいたものですから、その友達に相談をしたら、「もっと強くなれ。杉山、強くなればいじめられることもなくなる」と言われました。
 私は「いじめをやめてください」と言いに、いじめた子供の家に行きました。向こうは勘違いをして玄関に鍵をかけましたが、親が出てきたのでしっかり話をしました。次の日学校に行くと、その子供は謝ってきました。「二度とうちには来てくれるな、いじめはしない」。その友達も「家には頼むで来ないで」と。その結果、いじめはなくなりました。それぐらい強く出ないと、いじめはなくならないと思います。
 いじめ対策は教育再生の重要課題  
 文科省の調査ではいじめは年々減少しておりますが、最近の報道を見聞きしておりますと、調査が実態を的確に反映しているかどうか疑問があります。文科省も、全国の教育委員会生徒指導担当者を集めた会議において、隠すことなく事実の正確な把握が重要と呼びかけております。
 今、いじめ対策は教育再生の重要課題であり、政府、自治体、学校がそれぞれ対策を講じていくことは当然です。
 日本同様にいじめが深刻な問題になっているイギリスは、小中学校などでいじめた子供の保護者にも罰金を科すなどの厳罰の導入が検討されておると聞いております。また、48万ポンド(11億円弱)という予算を投じて、各学校にいじめ撲滅リーダーを育成する計画もあるそうです。生徒の力をかりて陰湿ないじめを明るみに出そうという狙いがあるそうです。保護者から罰金を科して、子供のいじめがなくなるとは思えませんけれども。
 本市教育委員会も、ことし初めに市内の全公立学校にいじめ問題への取り組みについて緊急アピールの通知をしました。また、11月をいじめ防止キャンペーン月間と位置づけ、学校における指導の見直しを再度点検する指示をしました。
 いじめの防止には、まず早期発見をすることが第一歩です。例えば、先生による朝の子供たちの観察を初め、授業中の子供の表情など、小さな変化を見逃さないようにすることも、早期発見につながるとは思います。しかし、現状からすると、先生の目配りもおのずと限界があります。
 スクールカウンセラーは関係機関と連携し、時には専門医の治療も必要
 いじめの背景にはさまざまな原因があります。学校にかかわる悩み、また友人にかかわる悩み、家庭にかかわる悩みなど、本当に多岐にわたっているとは思います。また、悩みの深刻さもさまざまです。中にはうつ病状態になっている子供もおります。
 本市では、全中学校にスクールカウンセラーが配置をされておりますが、余った時間に小学校に対しても相談活動を行っています。国もスクールカウンセラーの重要性を認め、その充実を図るとの報道がありました。スクールカウンセラーに相談してくる子供の中には、学校や家庭だけでは抱え切れない問題や、精神的な病にまで進行している場合もあり、状況に応じて、関係機関との連携や専門医の治療が必要な場合もあると思います。
 そこで、教育長に質問をします。
 いじめを防止するために早期の発見が必要だと考えますが、そのために各学校ではどのような取り組みがなされているのか。さらに、名古屋市では、いじめられた子供の心のケアをどのようにされているのか。また、今後、医療機関との連携についてどのように進めていくお考えなのかお尋ねをします。また、スクールカウンセラーの充実については、教育委員会においてどのような考え方をお持ちなのか、お伺いをします。
 「今後、スクールカウンセラーと専門機関との連携について検討」
≪市の回答≫
 いじめを自殺などの深刻な事態に至らせないためには、早期発見、早期対応が重要で、そのため各学校では、いじめ・問題行動等対策委員会や全教職員で行う職員会議などを通しまして、放課時間など1人でぽつんとしている子供はいないのか、持ち物に落書きがされていないかといった子供の状況の情報交換を行い、小さな変化を見逃さない体制で臨んでいるところです。
 昨年度、スクールカウンセラーへのいじめの相談は、児童生徒が255件、保護者が123件ございました。スクールカウンセラーが専門医に紹介をして解決したケースもございました。そうしたことから、今後は、必要に応じて専門機関との連携について検討してまいります。また、文部科学省が検討しているスクールカウンセラーの増員につきましては、今後、国の動向を見守り対応を検討してまいります。

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