ヒートアイランド対策に関連し、
 道路舗装対策と屋上緑化及び壁面緑化の推進
【平成17年9月定例会】
 地球の温暖化の進行は、地球環境の保全に様々な形で深刻な悪影響を発生させています。つい先ごろ夏場における北極海を覆う氷の面積が、観測を始めて以来、日本全土の3個分にあたる20%も減少し、今世紀末には全てなくなるのではないかとの報道もありました。
 名古屋新世紀計画2010では、環境の保全や緑化に関する基本方針が示されています。地球温暖化進行の中で、都市部においては、高密度のエネルギーが消費され、また地面の大部分がコンクリートやアスファルトなどで覆われているため、水分の蒸発による気温の低下が妨げられ、郊外部に比べ気温が高くなるというヒートアイランド現象は、大都市の抱える大きな課題となっており、緩和に向けての対応が強く求められているところです。
 名古屋市が試行した道路舗装対策を検証
 私は、ヒートアイランド現象緩和の観点から、昨年9月の定例会におきましても道路舗装に関して質問をし、当局から「路面温度の低下や舗装の耐久性など、他の工法も含め検討を開始したところであり、舗装における効果的なヒートアイランド対策について試行するとともに、検証を行っていく」との答弁をいただきました。
 当局では、舗装そのものに熱伝導性のある材料を使用し蓄熱を低下させた低熱性舗装を、昨年南区の諸輪、名古屋線で試行されたと聞いております。
 また、7月には、雨水による水分を溜め、気化熱による温度低減効果のある保水性舗装を中区の長島町通りで試行し、太陽熱を反射し、舗装にたまる熱を少なくする遮熱性舗装をオアシス21の北側道路で試行実施し、現在路面温度の低下や舗装の耐久性、路面上の空間の温度などを検証されていると伺っております。
 私も、ヒートアイランド対策のセミナー=写真=に先日参加してきましたが、本市などの大都市においては、舗装の都市面積の大きな部分を占めており道路に対する効果は大きいと考えられます。特に中心部の中区にあっては道路の占有面積率が32.8%で、全市でみても17.7%と大きく占める割合となっており、道路舗装からの影響が大きく喫緊の課題であることを知りました。
 試験施行した舗装には課題があることが判明
 当局が試験施行した舗装については、いろいろな特性があり、また課題があることがわかりました。舗装内に水を溜める保水性舗装は、雨が降らないと効果がないと聞いておりますし、舗装面には特殊な塗装を塗布する遮熱性舗装は、耐久性については十分でないかと聞いております。
 また、低熱性舗装は、従来の舗装と比較して温度低減の効果が優れているけれども、材料が高価であるなど、コスト面での課題があること聞いております。このような種々のヒートアイランド対策として行われている試験舗装について緑政土木局長にお尋ねします。
 そこで、現在、これらの試験舗装のデーターの検証が行なわれているわけですが、これをいつまでに終え、本格実施につなげていくのかお尋ねいたします。
 他都市では始まっている屋上・壁面緑化の推進
 次に、ヒートアイランド現象の緩和策のもうひとつの屋上緑化及び壁面緑化の推進についてお尋ねいたします。
 ビルの屋上や壁面を草花や樹木などで緑化することは、ヒートアイランド現象の緩和は勿論のこと、大気汚染の浄化や雨水の流出抑制にも効果があるとされています。
 こうしたことから、良好な都市環境の形成を図るため、昨年6月に「都市緑地保全法」が「都市緑地法」へ改正され、その中で緑化地域においては、大規模敷地の新築・増築を対象に緑化率の基準を設けたり、駐車場・店舗などの屋上を公園的に利用することができるようになったと聞いております。
 また、東京都や兵庫県では、一定規模以上のビルやマンションを新増築する時には、その屋上の20%以上を緑化することを義務付けています。 
 屋上・壁面緑化を一層推進するため、条例による措置を
 本市では、既成市街地における緑化の推進を図るため、平成14年度より「建築物緑化助成制度」を設け、屋上及び壁面を緑化する法人及び個人に対して助成措置が講じられてきました。その利用件数は53件となっています。
 まず、この利用件数について、予定されていたより多いか、少ないかなどについて、どのように評価されているのか、お尋ねいたします。
 また、都市緑地法や東京都など他都市の動向なども踏まえ、条例により屋上や壁面の緑化を一層推進するため、条例による措置を行われるお考えはないかについてもお尋ね致します。
 ヒートアイランド現象には様々な要因がありますため、その緩和策も多岐に及びます。また、行政が主体的に実施していきますためには、限られた財源の中で最も効率的な施策展開が必要となります。さらには市民とのパートナーシップも必要不可欠でございます。こうしたことも踏まえ、ご答弁をお願い致します。

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