ヒートアイランド現象に対する道路舗装対策 【平成16年9月定例会】
 都市における環境問題の一つとして指摘されているヒートアイランド現象は、名前くらいは聞いたことがあると思いますが、何が問題なのか、また対策はどうしたらよいのか、という点については、あまり知られていないと思います。
 ヒートアイランド現象は夏の熱帯夜の一因となっています。気温が高いだけでなく、自動車の排気ガスや都市住民自身が排出する二酸化炭素などで、汚染された空気がよどんで取り残されるため、大気環境としては非常に劣悪となってしまいます。
 名古屋市では過去100年間の年平均気温が約1.3℃上昇
 名古屋の夏は暑いとよく言われます。今年の7、8月の気温を調べてみますと、62日間のうち56日が30℃を越え、最高は7月28日に37.5℃を記録しております。
 また、電力会社の発電量は、8月は前年に比べ3.6%増加であったとのことで、多くのエネルギーが消費されたことを示しております。名古屋市では、過去100年間の年平均気温は約1.3℃上昇しています。
 これは、地球温暖化とヒートアイランド現象の影響によるものと思われます。また、気温の上昇とともに、産業革命以降、大気中の二酸化炭素濃度は急激に上昇しています。
 地球温暖化は、私たちの生活や活動に深刻な影響を及ぼすことが心配されています。地球温暖化の原因となる二酸化炭素は、石油や石炭など化石燃料を燃やしたときに発生します。
 自動車の使用、給湯用の都市ガスの使用、さらには、家庭生活、オフィス活動、工場などで使用する電気も二酸化炭素の発生につながります。まさに、そのことが地球温暖化を進行させる大きな原因となってきたのです。
 道路舗装がヒートアイランド現象に与える影響も少なくない
 最近、ヒートアイランド現象の話題がよくのぼります。皆様がご存知のことではありますが、ヒートアイランド現象とは、「人や車が多く集まる都心では、郊外に比べて気温が高くなること」をいっております。
 ヒートアイランドの認識が高まるなか、名古屋市では、今年の8月21日「名古屋打ち水大作戦」が展開され、打ち水した後は気温が約1℃低下したとの報道がありました。ヒートアイランド現象を放置すれば、エネルギーの無駄な消費につながり、環境への悪影響が一層大きなものになると考えられます。
 名古屋は、道路が広く、ストックが多いと聞いております。したがって、道路舗装がヒートアイランド現象に与える影響も少なくないと思われます。
 例えば、最近、保水性舗装があちこちで試されていると聞いております。保水性舗装は、雨や打ち水を保水して、路面温度を下げる働きがあるとのことで、ヒートアイランド対策に効果が大きいのではないかと素人ながら考えております。
 そこで緑政土木局長にお尋ねします。保水性舗装などのヒートアイランド対策に効果のある新舗装にどのように取り組んでいかれるのか、お考えをお伺いしたいと思います。
 保水性舗装による路面温度の低下や舗装の耐久性など検討開始
≪回答≫ 
 ヒートアイランド現象は、ビルや工場の排熱、車からの放熱など様々な要因が挙げられておりますが、道路の路面温度の上昇もその要因の一つと考えられています。とりわけ、本市のような大都市では、道路舗装におけるヒートアイランド対策は大きな課題の一つと考えております。
 そのようなことから、議員ご指摘の保水性舗装による路面温度の低下や舗装の耐久性など、他の工法も含めて、検討を開始したところです。 
 ヒートアイランド現象は先に申しましたように様々な要因が考えられることから、他の施策とも連携しながら、舗装における効果的なヒートアイランド対策について、試行するとともに検証を行ってまいりたいと考えております。


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