公共交通への転換施策について 【平成16年11月定例会】
 最初に公共交通への転換施策としての自動車利用の適正化について、環境問題に関連して地球温暖化という観点から質問をいたします。この100年間で名古屋市の平均気温が2.4度上昇したという気象庁の調査結果が出されておりますが、今後100年で最大1.4〜5.8度まで平均気温が上昇するという予測もあります。
 ご承知の通り、地球温暖化は石油などの化石燃料を大量に消費していることが主な原因と言われ、名古屋市としても温暖化防止に真剣に取り組まなければならないと思います。地球環境温暖化防止の観点から、自動車交通によるCO2削減は差し迫った政策課題になっています。
 公共交通機関への転換促進施策は遅々として進まず
 「名古屋新世紀計画2010」の基本方針では、公共交通機関優先の原則に立ち、都心部への自動車の過度な流入を抑止し、都市の活力を生み出す総合交通体系の形成をはかるとしています。また、交通需要の増大などに対応して、公共交通網の整備、道路網の整備等、交通基盤の整備を進めるとしています。
 自動車利用の適正化や公共交通機関への転換を促進する施策を戦略的に展開するとしていますが、具体的な目に見える方策は遅々として進んでいないのが現状です。また、松原市長は、名古屋市では「公共交通」対「車」の利用割合3:7を、2010年をめどに4:6程度にまでする必要があるとして、「なごや交通戦略」の中では様々な政策が出されました。
 モール・トランジットモール、公共交通利用促進、幹線道路網の整備促進、環境ロード・プライシングの展開等々どれもが、自動車利用の適正化につながるものと思います。しかし、現実に行うには課題が多いように思われます。
 パーク&ライドの促進が最も有効な手段
 その中で、実効性が高いのがパーク&ライドではないかと思っています。自動車の流入を抑制するため、市域はもちろん市域外におけるパーク&ライドやバス・ライドの促進を図ることがもっとも有効な手段ではないかと考えます。
 名古屋市の駐車施設整備に関する基本計画では、パーク&ライド駐車場の整備推進方策として市域内の名古屋環状2号線周辺の鉄道駅やバス停付近などにおいて、望ましい交通体系を形成するために公共用地の活用等により、特に必要なパパーク&ライド駐車場の整備推進を図るとしています。
 これまで、パーク&ライド駐車場は、民間による遊休地の利用を中心として確保されており、名古屋市が整備しているパーク&ライド駐車場は引山駐車場、上社駐車場、アクロス小幡パーキング、上社南駐車場、といくつかの駐車場がありますが、駐車保有台数は約300台であり、その数からしても本来の主旨である市内への乗り入れを抑制するものとはほど遠いのが現状です。 公共交通への転換施策の一つとして、都心外周のパーク&ライドは名古屋市外においても積極的に推進すべき施策であり、また、単に、パーク&ライド駐車場の整備だけでなく、駐車料金の助成策など総合的に取り組む交通施策であると思います。
 国、県、周辺市町村、交通事業者等と連携をはかることが重要
 したがって、国や愛知県、周辺市町村、交通事業者等と連携をはかることが重要です。「なごや交通戦略」を踏まえ、名古屋市の駐車施策についてお尋ねしたいと思います。
 公共交通機関の利用促進策のひとつとして、都心部における駐車附置義務の適正化を図ることを目指し、9月議会において名古屋市駐車条例を改正しところです。これは、都心部において、義務付けすべき駐車場台数の緩和を図ることがなされたものと承知しております。
 こういった条例改正も含め、都心部における駐車施策について、現在どのような考えで、どのように進めておられるのかをお伺い致します。また、公共交通機関の利用促進策の一つとして、都心外周のパーク&ライドの推進は非常に重要な施策であると考えておりますが、この点について、今後どのように進めていくお考えなのか、住宅都市局長のお尋ねいたします。 
また、「なごや交通戦略」の核である自動車利用の適正化を図る観点から、自動車を抑制する具体的な施策として何を進めるのか。さらに、自動車利用の適正化には市民意識の変革が必要だと思いますが、具体的にはどのように浸透させていくのか、総務局長へお尋ねしたいと存じます。

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