色覚特性に関するバリアフリー対策 【平成15年6月定例会】
福祉都市環境整備指針に関連して、色覚特性に関するバリアフリー対策についての取り組みを健康福祉局長に質問を行いました。
 第一点目は色覚特性に関するバリアフリー対策についてです。赤と緑などの違いがわかりにくい色覚特性を有する方は、国内において300万人以上で、男性の20人に一人、女性の500人に一人の割合でみえると推計されています。これらの方は、制度的な意味では「障害」ではありません。
 しかし、公共の掲示物などでさえ、色覚特性を有する方に対する配慮は、あまりに意識されてこなかったのが現状であります。さらに、印刷のカラー化が進む中、いっそう不便さが増しているのが現状です。
 愛知万博を控え、「色のバリアフリー化」の取り組みを積極的に推進すべき
 こうした中、色覚特性を有する方でも、色が識別しやすい「色のバリアフリー化」を進めようとする動きが、一部で始まってきております。
 「緑色を背景にした赤い文字は避ける」、「色だけで情報を表現せず、形や文字を加えたデザインを心掛ける」、「赤は見やすい朱色に近い赤に」。こんなアドバイスをまとめた全国的にも珍しい小冊子「色覚バリアフリーの手引き」が出版されていると聞き及んでおります。
 また「若狭路博2003」の会場として、福井県小浜市に9月に開館する「食文化館」は、展示に「色覚バリアフリー」を意識した初めての博物館と聞いております。公共施設でも、信号機の「赤」が朱色に近い赤にされるなど、以前から改善の動きはあります。
 一口に「色覚特性」といっても個人差が大きく、「正常」に限りなく近い方もみえますが、誰にでもわかりやすいものにすることが、重要であると考えます。
 色覚バリアフリー化は、配色決定時にわずかな気配りをするだけで、追加のコストをいっさいかけずに達成できますことから、愛知万博を控え、多くの方が名古屋市へお越しになるなか、「色のバリアフリー化」の取り組みを積極的に推進すべきであると考えます。「色のバリアフリー化」の取り組みにつきまして、健康福祉局長にお尋ねいたします。
 サインの見易さを向上させるために、図と背景の色の明るさの差を大きくします
≪答弁≫
 本市では人にやさしいまちなごやを実現するため、福祉のまちづくりの基本理念や具体的な推進方策、公共的建築物などのバリアフリー整備を行う上での技術的基準を明らかにした「福祉都市環境整備指針」をこの2月に全面改訂いたしました。この中でサインの見易さを向上させるために、図の色と背景の色の明るさの差を大きくする旨の基準を盛り込みました。
 この基準によって、おおむね色覚特性による不便さは解消できると考えておりますが、赤と緑、あるいは紫と青といった明るさのよく似た色を並べて配置せざるを得ないケースの場合は不便も生じます。そうした場合の配慮として、図や線の太さ、形などを変化させたり、文字情報を添えたりすることが有効である旨、改めて関係各局には周知してまいりたいと考えております。
高架線への切替完了は平成19年の見込み


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