路上禁煙への取り組み急げ 【平成15年11月定例会】
 平成15年5月に健康増進法が施行され、受動喫煙の害が叫ばれる中、本市においても、事務所などはもとより公共施設についても、本格的な禁煙措置に取り組もうとしております。
 喫煙に際して、他人に迷惑をかけないことは、喫煙者が心がけなければならない最低限のマナーであり、個人個人のモラルの向上が必要でありますが、そこには限界もあります。
 そうしたことから、今回の措置は大変有意義なことであり、建物内の禁煙については、これで一歩進んだわけですが、一方、最近では市民の方々から、道路上の歩行喫煙についても多くの苦情が、寄せられております。
 市民の安全や町の美化のためにも、路上での禁煙対策が望まれる
 「歩きタバコにより子どもが何度も危ない目にあっている」「人ごみの中、喫煙者とすれ違う時に危険を感じている、歩行喫煙を規制してほしい」「ポイ捨ての原因にもなるのでやめてほしい」など、市民の安全確保や町の美化のためにも、路上での禁煙対策が望まれているところであります。
 実際に平成6年1月、千葉県のJR船橋駅では、歩行中に喫煙していた男性のタバコが3歳の女の子の目にあたり、火傷を負わせたまま立ち去るという事件がありました。私自身も、タバコの火を当てられたことがあります。
 また、平成14年度の消防白書によれば、平成13年度中に発生した火災の10.6%は、タバコが原因によるもので、そのうち59.6%がタバコのポイ捨てによるものです。タバコが原因の火災による損失額は、約124億円となっております。
 シンガポールでは、ゴミを捨てたりツバをはいたりする人を処罰することで、世界的な観光地としての美観を保持しております。
 また、路上での喫煙に罰則を設け、実際に過料を徴収している東京都千代田区では、平成15年8月1日より、路上禁煙地区を拡大し、東京駅周辺や神田駅から秋葉原駅間なども路上禁煙地区に指定がされました。また、路上禁煙地区では、目立つように街灯などに「路上禁煙地区」のステッカーが貼られるようになりました。
 喫煙が他人に火傷などの害を及ぼしたり、いっこうに減らないタバコのポイ捨てなど、大都市独特の問題を防止する意味では、路上禁煙対策、早期に取り組む課題であると思います。
 そこで、本市でも路上禁煙対策に取り組む必要があると思いますが、関係局長さんのご所見を伺います。
 条例を制定するなかで、路上禁煙における課題解決にも取り組む
≪答弁≫
 昨年10月に東京都千代田区におきまして全国で初めて罰則付きの「路上禁煙条例」が施行されましてから、現在までに、東京都品川区、杉並区や福岡市、広島市、千葉県市川市、富山市などでも同様の条例を相次いで制定するなど、「歩きたばこに罰則」といった動きが広がりを見せております。
 ご承知のとおり、本市では、現在、安全で快適なまちづくりに向けた市民参画による条例の制定を目指しているところでございます。ご指摘の路上禁煙問題につきましては、喫煙者の権利をどこまで制限できるか、不公平な過料とならないか、啓発・指導等に多額の費用が必要とならないかなど、検討すべき事項が多くございますが、今後、幅広く地域や市議会など各層の意見を聞きながら、条例を制定するなかで、路上禁煙における課題解決にも取り組んでまいりたいと考えております。
 路上禁煙対策は、駅周辺など人が集まるエリアに限定を
 路上禁煙対策は、名古屋市すべてを、実施するべきと言っているわけではありません。
 人が集まる駅の周辺など、限られたエリアでの取り組みをするべきと言っているのです。その点を十分考慮していただき、事故が発生してからあわてて取り組むのではなく、2005年の「愛・地球博」には多くの外国からの観光客が訪れます。それまでには、世界的な観光地として、美観を保持している名古屋市と言われるように、取り組んでいただきますことをお願いします。


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